カリグラフィーってご存じですか？
カリグラフィーとは、イギリス発祥の文字を美しく見せるための手法のことを指します。
サラサラ～っと流れるようなものや、かっちりかっこいい雰囲気だったりと、種類は色々とあるようですが、どれも美しくエレガントな印象を抱きます。

英字や英文で書かれるものが多いですが、最近は日本語（ひらがなや漢字）のカリグラフィーも増えているんだとか。

カリグラフィーは万年筆と同じように、専用のペン先やインクを使用して書きます。
同じ字体でも、ペン先やインクの組み合わせで何通りにも印象が変わってきます。
使用する紙はケント紙が定番。
ケント紙は滲みにくい、凹凸が少ない、滑らかな書き心地という特徴があり、カリグラフィー向きなんだとか。

おしゃれなカリグラフィーが和紙にも描けたら…
カリグラフィーに向いている和紙ってどんなものだろう…

今回は、ご縁あったカリグラファーさんにご協力いただき、カリグラフィーに合った和紙を検証してみました。

ご協力いただいたのは カリグラファー大田めぐりさん 大阪と名古屋を拠点とし、レッスンやワークショップなどを開催されています。 大田めぐりさんのSNSはこちらから⇒＠meguri_calligraphy

【使用したペン】

A：ポインテットペン	Hunt 101
B：ブロードペン	Speedball-C2

【使用したインク】

１：水性インク	プラチナム　ミキサブルインク SMOKE BLACK
２：顔料インク	セーラー極黒
３：アクリルインク	リキテックス　リキッドSEPIA
4:不透明アクリルインク	ドクターマーチン Spectralite Private Collection Liquid Acrylics Dusty Rose

１０種類の和紙に２種類のペン先、４種類のインクで試筆をお願いし、感想をいただきました。

【加工用原紙　白（80ｇ）】

▽どんな和紙？▽
水分は適度に染み込みますが、滲みは抑えてあるので印刷や筆記に適しています。
便箋、御朱印帳、書道など幅広く使えます。

どのインクも滲まず、発色もしっかりしています。
ケント紙に似た書き心地。

加工用原紙　白（80g）はこちらから

【リバースペーパー蒼（８０g）】

▽どんな和紙？▽
工場内で出た端材を原料に使用したリサイクル和紙。
裏表で色味が違っているのが特徴です。


どのインクも滲まず発色もしっかり。
ペンの引っかかりも少ない。

リバースペーパー　蒼（80g）はこちらから

【リバーズペーパー漆黒　８０ｇ】

▽どんな和紙？▽
リサイクル和紙シリーズで1番新しい和紙です。
キラッと控えめに輝く繊維がかっこいい真っ黒な和紙。



インクの滲みが少なく、発色もしっかり。
下から光を当てても透けないため、ガイドラインを用いる文字には不向き。

リバースペーパー　漆黒はこちら

【高級写経用紙】

▽どんな和紙？▽
サラゴと三椏、針葉樹パルプを混抄した和紙です。
薄くても丈夫で、筆の滑りも良いです。
打ち上げ花火で使われる間断紙（はさみがみ）としても活躍しています。

インクの滲みがなく、発色も良い。
紙が薄いので筆圧をかけにくい。
力をいれるとたゆむので細い線で書くのがオススメ。

高級写経用紙はこちらから

【傘紙　白】

▽どんな和紙？▽
原料に針葉樹パルプとレーヨンを使い、柔らかく光沢感のある和紙に仕上げてあります。
主には和傘に貼る和紙として使われます。
最近は壁紙や照明用としても注目を浴びています。


インクの滲みなく、発色もキレイ。
多少のインク弾きがあるが、ゆっくり書けば問題なし。
絶妙なかすれ具合で、ヴィンテージ感ある文字が書ける。

傘紙（白）はこちらから

和紙によって文字の印象が違って面白いですね。
次回は後半５種類をご紹介いたします！

執筆　和紙成子（ナリコ）

《感性を刺激する！クリエイティブに生きるあなたへ》